外来診療のご案内



主に高血圧、糖尿病、高脂血症などの診療を行っています。
基本的には減塩食、エネルギー・糖質コントロール、たんぱく質コントロールなどの食事療法に重点を置き、薬物療法への依存度を少なくすることを目指しています。糖尿病については、糖尿病専門クリニックである関連施設(東久留米駅前クリニック)とも密接に連携しています。2016年3月より,骨粗鬆症診療も始めました。


検診でタンパク尿・血尿を指摘された。 腎臓機能の低下を指摘された。
将来透析治療が必要と言われた。
   ・・・などの場合に腎臓病の精査や治療が必要になります。
 

1)早晩透析治療が必要な人に対しては、その人に合った腎代替療法選択血液透析・腹膜透析・腎移植)について説明し、円滑な腎代替療法の導入を図ります。

2)血液透析治療を選択した場合には、透析シャント作成という血管の手術が必要になります。この手術についても専門施設と多数の連携実績があります。また当院にも専用手術室がありますので、当施設で透析シャント手術をすることもできます。

3)腹膜透析治療の導入やその後の管理についても基幹病院との連携のもと当院でも対応可能です。



検尿・沈渣 :
一般的な検尿以外に、顕微鏡で直接尿を観察し血球成分や腎炎で出現する円柱の有無を当院の医師・検査技師が直接観察します。
尿検査は必ず実施しますので、当院受診後排尿する際はスタッフに必ず声をかけてください


採血 :  
一般的な検査以外に血液検査でわかる腎炎の反応の有無についてもチェックします。

腎超音波検査
超音波で腎臓の形態を観察することで、慢性の経過で進行した腎臓病か比較的急性の経過で進行したものか判断できます。また泌尿器科的異常による腎臓病もチェックできます。

心電図、胸部X線、心エコー検査
高血圧が認められ、心血管病の存在が疑われる場合に実施することがあります。


24時間蓄尿検査の指導
採血検査で評価する腎機能は、多人数の集計から算出した推定値です。しかし、この24時間蓄尿検査を実施することで、推定ではない実際の正確な腎機能(内因性クレアチニンクリアランス)が測定できます。
また24時間蓄尿検査を行うことで、腎臓病の予後と関 連する正確なタンパク尿の程度や、たんぱく質や食塩などの摂取量も分かり、治療効果の判定や食事療法が適正に実施されているかどうかの判定にも役立ちます。
この検査は決して難しいものではありません。専用の蓄尿セットをお渡しし、排尿のタイミングなどの蓄尿の注意点については外来スタッフが指導します。


腎生検検査:
慢性糸球体腎炎によるネフローゼ症候群が疑われる場合や、短期間の間に急速に腎機能が悪化する腎炎(急速進行性糸球体腎炎)などは腎臓に針を刺し組織を採取する腎生検検査が必要になります。予想される腎炎のタイプにより最も適切な施設(大学病院など)を紹介します。

減塩治療

慢性腎臓病で高血圧がある場合には1日6g程度を目標に塩分制限を行います。日本人の平均食塩摂取量は世界的に見てかなり多いことが知られており、このレベルの食塩制限を定着させるためには、管理栄養士から塩分に頼らない味付けの工夫などを指導してもらうことが必要です。
塩分摂取量が多いと薬物治療(降圧剤や利尿剤など)の効果(タンパク尿減少、血圧低下、浮腫改善など)も発揮されにくく、腎臓病が進行しやすい事実も知られているので、減塩食は腎臓病治療の基本になる重要な治療です。浮腫が強い場合、心不全を合併している場合などでは1日3g程度まで減塩を強化する場合があります。このような厳しい減塩食は、習得するまでに管理栄養士から繰り返し指導を受けますが、劇的な改善が認められることも多く見られます。

食事たんぱく質のコントロール

当施設では従来より腎臓病の状態に応じたたんぱく質のコントロール食を指導しています。慢性腎臓病の人では、高たんぱく質食は腎臓に対する負荷を増やし、長期的には腎臓機能障害を促進するので避けるべきとされています。腎臓機能障害の程度やタンパク尿の程度などにより異なりますが、一般的には、標準体重1kgあたり1日0.6gから0.8gの低たんぱく食が適用されますが、時に標準体重1kgあたり0.4g〜0.5gの厳しい低たんぱく食を試みる場合もあります。この低たんぱく食により、タンパク尿の減少、腎機能障害の進行抑制そしてミネラルバランスの改善など、多岐にわたる効果が認められます。ただし良質なたんぱく質の選択や適切なカロリー確保などができていない低たんぱく食は、治療効果が現れないばかりか、栄養状態の悪化を招くことがあるので注意が必要です。そのため管理栄養士から献立作成の工夫や治療用食品の使い方などを指導してもらうことがとても大切です。なお、食事療法は薬物治療とは異なり、食生活の中に定着させるのにはある程度時間がかかるのが普通ですので、焦らず気長に取り組む心構えも大切です。

クリック拡大⇒
  「院長 小沢尚も執筆しています」
⇒栄養相談へ

 腎臓病のある人への運動や活発な活動は、タンパク尿を増加させたり、腎機能を悪化させたりすると考えられていた時期がありました。

しかし最近では、適度な運動は、腎機能悪化や栄養障害を予防すると言われています。現在では腎臓病のある人に対しても運動や活発な活動は制限せず無理のない運動を定期的に実施することが推奨されています(腎臓リハビリテーション)。運動の具体的種類としては、有酸素運動、レジスタンストレーニング、バランストレーニングなどがありますが、運動療法を専門とする理学療法士がこれらを組み合わせて、個人の能力に見合ったプログラムを作成し、指導します。